2010年04月27日

IQ200になる習慣

脳に関する様々な著書を持つ苫米地英人氏の、教育的な面をクローズアップした本です。子供を持つ親は、早いうちにこの本を読んでおけば、子供の進路に無駄なレールを敷くことは無くなるのではないかと思います。

本書で私が気づいたことは、下記の点です。


・日本は、大学をはじめ、受験と偏差値を基本にした教育体制が失敗している、と筆者は指摘している。論理的に議論を戦わせるディベートなどを重視している欧米などに比べて、日本はあくまでも、記憶力と単純作業を重視している。この日本方式は、算数の計算ドリルなどが象徴的で、これは脳の老化防止には役だっても、IQを上げることには全く役立たないという。

・IQを上げるには、あくまで考えることであり、具体的なものを、より上のカテゴリーで考えることだという。リンゴやバナナなどの具体物についてだけ考えるのではなく、それらに共通する特徴で括った「フルーツ」全体について考えてみる方が、一段上のIQに近づくという。つまり、計算ドリルのような具体的数字の計算よりも、A+B=Cなどの公式を自分で導き出すような、概念的なことに取り組むべきだという。

・この「上のカテゴリー」で考えるという方式は、アメリカなどで一般的な論理学、特に記号論理学が有効のように思える。論理の妥当性よりも、相手への気遣いを優先する文化である日本は、どうしても論理学に疎い傾向がある。感情を排した論理学が、万能だという訳では全くないが、IQを高めるという目的では確かに合理的なようだ。

・やりたい事をやって成果を残した人と、血のにじむような努力を重ねて成果を残した人と、どちらが良いか?という問いに対して、筆者は前者がより良いとしている。つまり楽しいと思えることに集中することで、ムリ無くその分野への取り組みが持続するということ。その姿を側から見ると、努力しているように見えるかも知れない。でも本人にとっては努力ではなく、ただ「ハマっているだけ」ということが往々にしてある。その形が理想だということ。

・コンフォートゾーンという考え方を、タイガーウッズを例にして分かりやすく解説していた。タイガーウッズは、自分自身について「世界のトップゴルファー」であることが「自分らしい」と思っている。なおかつ、世界のトップゴルファーであると感じる瞬間が、彼のコンフォートゾーン、つまり心地の良いゾーンだという。このように「どの状態が自分らしいか」「どの状態が心地よいか」という2つの条件が揃って、ともに高い、理想の状態に持っていけば、自然と成功するという。


・「シリアル思考」という概念を初めて知った。多くの凡人はシリアル思考に捕らわれているという。シリアル、すなわち順番にしか物事を処理できないということ。確かに自分を振り返っても、「1つのことにしか集中できない」という思いこみに捕らわれていて、スケジュールを組む時も1時〜2時まで○○という風に1つのみを決めていた。仕事以外でも、基本的には1つのことしか意識していなかったように思う。

・筆者いわく、脳機能学的見地からすると、人間は本来「マルチタスク」だという。車を運転しながら、ジュースを飲みながら、音楽を聴きながら歌う、など誰もが自然にこなしている。しかも、音楽を聴くなど無意識の動作だけでなく、意識を向ける対象もマルチタスクだそうだ。仕事のメールを確認しながら、電話をしながら、企画書をまとめる、などということも訓練次第で可能だという。もちろん、それぞれの質が劣る訳ではない。

・確かに考えてみれば、都会に出れば様々な刺激があり、自然にそれを処理している。店先の看板やネオン、大音量のマイクや音楽、商品やディスプレイ、行き交う人の大声での会話、人の間を縫うように進む車や自転車。歩きながら周囲を見回したり、会話したり、他人の声に反応したり、同時にたくさんの事を自然に処理しているのが分かる。自然に処理できている、というよりも、こうした都会の方がテンションが上がるというか、脳が活発になるにつれて快を覚えているようにも思える。

・脳はマルチタスク、ということを考えると、普段の生活でいかにもったいないことをしているかに気づく。本を読んでいる時は、本を読む以外何もしていないし、ご飯を食べる時も、せいぜいTVを見るくらいだ。脳は無意識でも情報を受け取ることができるということを考えると、まだまだたくさんのことを処理できるのかも知れない。

・たとえば普通、英語など語学を学ぶ時は、しっかり意識を向けて1日3時間も勉強すると、疲れてしまう。でも日本語を覚えるのに、そんな努力をした覚えは全くないし、ランダムにたくさんの情報を得ただけだと思う。同じように、きちんと時間をとるのではなく、ランダムに混沌としたやり方で英語を聞いたり話したり書いたりすれば良いのだと思う。例えば、音楽を聴いている時に、横で英語のラジオを流しておくとか、睡眠時のBGM代わりに映画を流しっぱなしにするとかが良さそうだ。さらには、英語を学ぶだけではなくて、同時に中国語とかスペイン語とか、ランダムに聞いたり読んだりしても良いのかも知れない。


・「本で得られる情報量はたかが知れている」と前置きした上で、読書を月間100冊するように進めている。これも、「マルチタスク」の考え方に沿った方法のようだ。読みたい本を読めというのではなく、新刊などの話題のベストセラーだけを100冊集めて、好きか嫌いか、興味があるかどうかに関わらず読むという。分野を特定せずに読む、というランダム感が、脳に合っているのかも知れない。

 

今は、ネットの登場によって、あらゆる情報にアクセスしやすくなっている。たとえば、アップル社が進めているPodcastingでは、いろいろな音声やビデオでの学習を、無料で得ることができる。これらを現代の利器を最大限に活用して、スキルを上げるためには、本書のような脳機能について知ることが前提として必要かも知れない。

posted by dekibiz at 10:32| 320)ビジネス書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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